2024/02/23

パパラギ

 もはやエデンには帰れないのか

 20世紀初頭、ひとりの南太平洋の島国の首長がヨーロッパ諸国を見物しました。「現代文明」は、彼にとっては非常に驚くものばかりでした。そして帰国した彼は、故郷の人々にそれを伝えて回りました。肌の白い人々、パパラギたちの生き様はなんと矛盾に満ちているかを。

 文明の利器に囲まれ、色々な刺激に満ちているかのように見える今日の我々ですが、なんだか大事なことを忘れているような、物足りない気がしていませんか? 我々は、確かに豊かな暮らしをしているかのように思えますが、きっと何かを犠牲にしているはずです。この本で語りかけてくる首長ツイアビの言葉をもって辺りを見回せば、現代文明はやるせないほどに色あせています。文明とは、文化とは? 価値観とは、感性とは? ツイアビは時には笑い出したくなるくらいに我々をおもしろおかしく観察しているかと思えば、現代人の考え方があまりにも不自然すぎるということを痛烈に批判しているのです。

 今さらエデンに戻れない現代人には、耳に痛い言葉もあります。また、納得いかない点も見受けられるでしょう。でも、きっと今までに聞いたことのない考え方に出会えるだろうと思います。
 でも…実は、ツイアビは実在の人物ではなくこの本はニセモノと呼ばれているのですが、この本の持つ問いかけそのものは、本物と言えないでしょうか。

(エーリッヒ・ショイルマン、立風書房)

AmazonでSB文庫版が注文できます

0 件のコメント:

コメントを投稿