2024/02/22

「ファウンデーション」シリーズ

 壮大なのはアシモフ自身だった

「銀河帝国」という響きに、何を連想しますか? そして、数百万の星を一万数千年に渡り統べていた強力な帝国が崩壊するとき、何が起こるのかを想像できますか?

 心理歴史学者のハリ・セルダンだけが、その悲惨さを推量することができました。栄華を誇る銀河帝国は近い将来滅びの道をたどり、新たな第2帝国が成立するまで3万年の暗黒時代が続く…それは、野蛮で無慈悲であり、多くの人々が犠牲になるのだ、と。

 彼の提唱する心理歴史学とは、高度な数学的計算によって社会の動きを見極めようという学問です。そして、銀河帝国の技術や文化を遺し第2銀河帝国の布石とするため「ファウンデーション」が設立され、表向きは「銀河帝国百科事典編纂のための組織」としました。これによって3万年の暗黒時代を30分の1である千年に短縮しようとしたのです。

 果たしてセルダンの夢は叶うのか、ファウンデーションの前途はいかに…

第1部「ファウンデーション」
第2部「ファウンデーション対帝国」
第3部「第2ファウンデーション」
第4部「ファウンデーションの彼方に」
第5部「ファウンデーションと地球」
第6部「ファウンデーションへの序曲」
第7部「ファウンデーションの誕生」

 第1部から第3部までが長い間「銀河帝国興亡史3部作」として知られていたのですが、およそ30年ぶりに第4部以降が書かれました。それも、ただの続編としてではなく旧来の「ロボットシリーズ」との融合を図った構成となったのです(第4部・第5部は「ロボット」シリーズを読んでいないと辛いかもしれませんね)。また、第6部・第7部は時代をさかのぼってファウンデーションの創設者ハリ・セルダンを描いた作品となっています。

 どれから読み始めても良いのですが、やはり発表順に読んでいった方がいいと思います。特に、第3部の後は「鋼鉄都市」に始まるロボットシリーズを読んでから第4部以降を読んだ方がベターです。

 私はやはり第7部「ファウンデーションの誕生」が好きです。ひとりの人間としてできるだけのことをやろうと最善を尽くすセルダンの姿が感動を与えてくれます。彼のひたむきな努力はゆっくりと結実していき、壮大なファウンデーション計画を成功に導いていくのです。また、セルダンの後ろ姿にアシモフ自身が見え隠れするようなところがとても興味深いものがあります。

 そして、アシモフが構築した世界を引き継いだ「新ファウンデーション」三部作が、有名なSF作家達によって創作されました。まるでこのこと自体がセルダンの残したファウンデーションのようではありませんか。アシモフはそれを狙っていたかどうかはわかりませんが、誰かが意志を継いでいくことを見据えていたならばアシモフ自身が壮大であるかもと言えるのではないでしょうか。

(アイザック・アシモフ、ハヤカワSF文庫)

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