郷愁に思いを馳せ、想い出に生きる
誰にでもなつかしく思える時がある。自分はいなかったけれど、あこがれの「古き良き時代」。あわただしく駆け抜けていく時間に飲み込まれかねない現代に、ふと呼び起こされるあの日…そんな雰囲気に満ちています。
それでいて、みんな世にも不思議な物語なのです。旧い立派な建築物の火事を消すために過去から昔の消防隊が駆けつけたり、古い珍しいコインを手に入れるのをきっかけに別の世界に入り込んでしまったり、古い骨董品の机の中に入っていたラブレター、催眠術で虎を眠らせた少年や独房の中に扉の絵を描く囚人などなど、風変わりなものばかり。
この短編集は一応ファンタジーという分類に入るのだと思うのですが、そんな突飛な状況でなし、出てくる人にもこれといった特徴はなく、小道具も大層なものではなし。O.ヘンリーの短編を思い出させるようなところも郷愁を誘います。
(ジャック・フィニィ,ハヤカワFT文庫)
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