「自分」を知る危険な旅
…おれは、誰だ?
記憶喪失に陥った一人の男が、僅かな手がかりから自分自身を見つけだそうとします。でも、それは非常に危険なことだったのです…ありがちなパターンかもしれませんが、物語はとてもスリリングな展開を見せます。最初の映画化は失敗だったみたいですが、「ボーン・アイデンティティー」として再映画化された時は大ヒットしました。
作者ロバート・ラドラムは数々のベストセラーを世に送り出していますが、「暗殺者」は屈指の出来映えです。国際的陰謀と暗躍する謎の組織、息をもつかせぬアクション、二転三転するプロットなどなど、面白いとこばかりなのです。
主人公は自分が何者か、何のために記憶を無くしたのか、自分自身を少しずつ取り戻していきます。自分を突き止めて行く主人公を、敵はとうとう発見してしまいます。さらに、主人公の記憶喪失というアクシデントを知らない味方までもが、彼を裏切り者として追い始めるのです。危険なこととは知りながら、自分自身のために彼は渦中へと飛び込んで行かねばならないのです。
誰もがそうだと思います。「私は何者なのか」と。たとえ総てを失ったとしても、僅かな手がかりを頼りに新しい自分を始めればいい。もしも自分を取り戻しても、今まで努力してきた自分もまた自分なのだ…
この「暗殺者」には続編があります。あえてシリーズものとして紹介しなかったのか知りたければ、まずこの「暗殺者」を読んで下さい。もしこれで満足できれば、もはや続編の必要はないと判ると思います。映画の方でも続編は出ましたが、原作とは全然違ってましたし。
(ロバート・ラドラム,新潮文庫)
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