リロはなぜ殺される
突如地球は正体不明の「インベーダー」に占領され、人類は太陽系の各惑星に脱出を余儀なくされた。人類の未来は絶望と思われたとき、謎のメッセージが送られてきた。メッセージの大半は解読不能だが、垣間見える有用な情報が人類をかろうじて持ちこたえさせている。そのメッセージはへびつかい座方向から受信できること以外、何もわかっていない…
そんな「これからどうなるんだ」的な状況の中で、主人公はあがき続けます。へびつかい座ホットラインの謎を追いつつも、主人公を利用せんとする勢力に抵抗し続けます。何度も死を迎え、クローンとして生き返ることを余儀なくされても、決してやめようとはしません。もはやオリジナルなんて関係ない、人類さえもオリジナルではなくなっているのだから。ただ自分の境遇から脱したいだけなのに。
作者はもとヒッピーだったとかで、ヒッピー全盛期のドラッグやフリーセックスといったサブカルチャーの雰囲気を投影しているらしく、多様化する価値観、性別や種族までも境界線が薄れていく未来絵巻がくりひろげられています。21世紀を迎え、過去のSF作品にぽつぽつと「時代遅れな未来」が見受けられる中、この作品は独特の雰囲気を持っているために今なおオールタイム・ベストに居座る怪作です。
へびつかい座ホットラインの謎が解けても、リロは死に、生き続けることでしょう…
この物語が読まれ続ける限り。
(ジョン・ヴァーリィ,ハヤカワSF文庫)
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