2024/01/22

Rogue

 いぶし銀の魅力

 怪物の巣くう迷宮に挑む冒険者…という設定はオーソドックスではありますが、古典的なRPGでは共通の設定でもあります。とはいえ、何度も遊ぶ訳にはいきません(一度ひっかかった罠に、二度もひっかかる人はそういないでしょう?)。

 「ローグ」は、あらゆる要素をランダムにすることでマンネリを回避しています。入るたびに構造の違う迷宮、宝物や怪物の配置も違えば、アイテムの名称まで変わってしまうのです。さらに、ゲーム難度もランダムです。ひどい時にはゲーム開始後1分もしないうちにゲームオーバーなんてことも。非情なまでのゲームバランスについ「もう一度!」と意地になって続けてしまうのです。

 ゲーム画面は至って地味です。全部文字だけで表示され、美麗なグラフィックは一枚もありません。そう、迷宮の壁や廊下や床に階段、怪物やアイテムや自分自身でさえ「@」とか「$」というように1バイトキャラクタ文字なのです。その一文字ごとに怪物を想像し、アイテムを見つけ、冒険している気分に浸る…ことになるのです。

    ゲーム画面の例
    -------------------
    |.................|           --------
    |.*....B..........+########   |......|
    |............@....|       #   |....%.|
    -------+-----------       ####+......|
           #                      --------
    

 コマンドも多彩です。「移動」「調べる」といった基本のコマンドはもちろん「装備」が武器、防具、指輪(マジックアイテム)ごとに分かれていて、「(薬を)飲む」「(食料を)食べる」というように身体のコンディション調整のコマンドもあります。攻撃のコマンドも、接近戦(移動コマンドと同じ)、「(矢を)射る」、「投げる」「(魔法の杖を)使う」などがあります。私はよく矢を「射る」のではなく「投げる」を使ったりします。時には鎧を「投げ」たり薬を「投げ」て攻撃することもできるのです。

 オリジナル「Rogue」は UNIX 版で、MS-DOS 上でも遊びたいという要望から「Rogue-Clone」が作成されました。こうして普及していくにつれ、他の同様なゲームに大きく影響を与えました。Rogueの発展版といえる「NetHack」を始め、PCゲーム「Diablo」や「Elder Blaze」、家庭用ゲーム「トルネコの冒険」「風来のシレン」「チョコボの不思議なダンジョン」「ポポローグ」などもそうです。

Windowsでも遊べる「Rogue Clone II for Win32 Version」はこちら
攻略ページはこちらです(ネタバレ注意!)。

Macintoshで遊べる「jRogue」はこちらです。

こちらでBNN刊行の「ローグ ハンドブック」PDF版が公開されています。

2024/01/10

猫弾きのオルオラネ

 切ないならば、いっそ心を解き放て

 学生時代の終わり、私が非常に辛い気持ちでいた時…想いを寄せながらも、それが決して届かなかった時のことです。すっかり落ち込んでいた私に、友人からこの本をすすめられました。この本は連作の短編集で、共通しているのはオルオラネ爺さんが出てくるということだけ。「居る、居らね」とはなんとも人を食ったネーミングです。そして一方で、精神的にダメージを受けた人がいる。悲しさ、空しさ、やるせなさ…切なくてやり切れないとしても、その気持ちは強い力を秘めている。だから、それを閉じこめたままにしないで、心を開いて解き放ってしまおうという筋書きです。

 他にも、不思議なものが出てきます。「夢雪蝶」「天竺風鈴草」「こころほし てんとう虫」などなど、詳しくは書きませんがどれもあなたを不思議な気持ちにさせると思います。虫とか花とか他愛もなさそうなものばかりですが、その中にも立派な「力」があるとでもいいましょうか。日頃は当たり前すぎて気にも留めないようなことにも気づく瞬間があり、その瞬間のひとつひとつを大切にできないものか…

 物語の中で、オルオラネ爺さんは猫を弾きます。爺さんが猫の身体を撫で回すと、猫たちが唄い始めます。その声は、染み込むように心の中に響いていくというのです。登場人物の飛び出ている感情を穏やかに引っ込めていく、というその唄を聞いてみたく思いますが、あまり聞いてしまう境遇にもなりたくないですね。(^^;)

(夢枕獏,ハヤカワJA文庫)

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2023/12/14

ActiveSync なんかいらない

 WinCE と Windows を接続し、両マシンのファイル転送や Outlook データ同期をこなしてくれる接続ソフトとして、マイクロソフトの「ActiveSync」があります。インストールから接続まで簡単にすめば気楽でいいのですが、あちこちでつまずいてばかりだったので不満点が続出してしまいました。

  • 接続認識が悪すぎる!(USBシリアルポート経由ぐらい多めに見てほしい)
  • お行儀の悪さ(何が何でもタスクバーに常駐するのはみっともない)
  • ユーザー管理の謎(1ユーザを削除したのに全ユーザをゲスト扱いにした!)

 それでもうまくなだめすかせながら LAN ケーブル接続までこぎつければ快適なのですが、なかなか到達できない人が多いようです。時折、「普通の Windows(つまりWin9x/Me/2000/XPとか) より使いやすい?」と聞かれるのですが、「Windows パソコンとの連携を全く考えなければ使いやすいですよ。でも主要なソフトは Windows パソコンがないとインストールできなんで…やっぱダメ。おすすめできない」と答えています。

 モバイル機器に要求されているのは軽快さ(重さ、かさばり具合)と連携の良さ(他のマシンやインターネットとの接続)だと思います。最も連携を密にする母艦 PC との接続にさえも制限が多くては、感心できません。ActiveSync の出来に関しては、いかなる弁護にも耳を貸すつもりはありません。少しでもマイクロソフトに良心があるのなら(まあ「期待するだけムダ」と思いますが)、操作性についてぐらいは見直してくれてもいいのではないかと思っています。それだけでも違ってくるのに…

 ブツブツ言ってても好転しないのでフリーソフト等で代替できないか調べてみました。

  • ActiveSync を介さなくてもいい
  • telnet または ftp 操作可能
  • PocketOutlook/Outlook データ同期

そこで見つけたのが「console」です。これと「ftnet」「fftp」を WinCE マシンに転送すれば、ファイル転送はこれで可能です。コマンド操作がどうも好きになれないならいっそ「ftpsvr」というソフトで WinCE マシンを簡易 ftp サーバにしておき、Windows マシン側で ftp コマンドを叩きファイル転送するという手もあります。もちろん、これらのソフトを一度転送するためには ActiveSync を使うのか、というわけですが、ノートPC用のカードメモリとかデジカメなどに使われているフラッシュメモリなどを経由してコピーするとかしてしまえば、本当に ActiveSync は要りません。1.と2.は解決できそうです。

 さて、3.はなかなか難しい問題です。でも PocketOutlook は CSV ファイルのエクスポート/インポート機能さえもない中途半端なソフトなんで使う気になれないのですが、もったいない気もします。シェアウェアで Outlook の一部データを利用できるようにするソフトや「IntelliSync」のような市販ソフトでは Outlook 以外の PIM ソフトとの連携を取れるそうですが、そんなに投資してまで Outlook を使ってる訳ではないので見捨てることにしました。タダより高いものはないとはまさにこのことですから。

※残念ながら「console」「ftnet」「fftp」「ftpsvr」は現在公開されていません


2023/12/12

キューティーQ

 パドルゲーム時代の終わり

 実は、このゲームをゲームセンターで遊んだことはありません(もしかしたら沖縄には1台も設置されていなかった可能性があります)。でも、さいわい Playstation 用ソフト「NAMCO Musium Vol.2」に収録(*1)されています。興味のある方はプレイしてみて下さい。
 さて、パドルゲームはシンプルな反面、単調になりやすいのが欠点です。また、指先の繊細な動きもすぐに反映されるため手先があんまり器用でないお子様ゲーマー(昔の私)には非常に難しくなってしまいました。また、昔のゲームは現在ほど親切設計ではありません。リザーブの増えるなどのプレイ延長ボーナスが1度しかない(エンドレスプレイは不可能な上に不可能)とか、継続プレイの設定なし(それほど深いゲームもありませんでしたけど)とか、非常に押し付けがましいインターフェースであったわけです。

 ビデオゲーム黎明期のパドルゲームはあっさりと「スペースインベーダー」などのシューティングゲームなどに代わられていったのですが、ちゃっかりと家庭用ゲーム機になってしばらくは生き延びていました。シンプルなルールと「飽きるまで遊べる」という家庭用ゲームならではの割安感。これまでは一方的に「視る」だけでしかなかったテレビの新しい活用法。じわじわと家庭に「マイコン(*2)」が浸透しはじめていった、といってもいいかもしれません。
 キューティーQはビデオゲーム黎明期の、パドルゲーム群のひとつとして終わりました。でも、ただひとつだけ特に記憶に留める価値があるとすれば、このゲームには「ウォークマン」というキャラクタがいたことです。SONY 社のそれとどちらが先に出現したか定かではありませんけれども、何らかの時代を感じさせつつ、第1次パドルゲーム時代の幕引きを務めたといってあげれば彼も浮かばれるのではないでしょうか。

*1: 「ボムビー」に切り替えちゃった人は、とりあえずボムビーを実行します。テストパターンが表示されている間にすかさず1プレイヤー側のコントローラーの○ボタンを7回、□ボタンを6回、×ボタンを5回入力すると「キューティーQ」に戻ります。

*2: なんだか今では古くさい言葉になってしまいましたが、当時は「アイティー」なんかよりずっと具体性があったのです。一時はパソコンを指す言葉(「マイコンピュータ」の略?)でもありました。

Amazonにて注文することができるようです

2023/12/07

「どくとるマンボウ」シリーズ

 独特の語り口と軽妙さ、そしてペーソス

 ある日、一人の少年が一冊の本を手渡されました。

「どくとるマンボウ昆虫記」という奇妙なタイトルは彼の好奇心を刺激し、本が好きだったこともあってか少年はすぐに本を読み始めたのです。「昆虫記」といえばファーブル、という常識はどこへやら、ユーモア混じりの文体でおもしろおかしく書かれたこの本で、少年は初めてTVやマンガじゃなくても笑える、ということを発見したのです。

 少年とは、小学5年生当時の私です。父がくれたこの本を学校まで持っていってまで、熱心に読んでいました。当時の友人たちは私がマンガでもない本を読んで笑っているのをとても変に思っていたことでしょう。まあ、本当は小学5年生向きの本ではないですが、少なくとも私の人生にかなり影響を及ぼしているのは間違いありません。

 このシリーズは北杜夫氏のエッセイのことです。医師であるため「どくとる(Doctor)」、おっとりとした性格の「マンボウ」という意味を組み合わせたと思うのですが、未だに由来ははっきりとしません。このシリーズは非常に多く、時に「マンボウ」が書名に付かない場合もありますが、別にこだわるつもりもないのでしょう。純文学も執筆しているのですが、一般には「マンボウ」シリーズの方が知られています。

 文体は軽快でリズム感があり読みやすいと思います。この本の面白さを伝えたくて、本に書かれた表現を使って話しているうちにおしゃべりなくせが付いてしまいました。でも、話はそう下手ではないと思うし、作文や国語の試験では苦労したことがありませんでした。本を集める楽しみを知ったり、シリーズ中でもしばしば語られる山の話が、私をアウトドア活動に興味を持つきっかけとなったりしています。まさに、私のルーツといっても過言ではないでしょう。

(北杜夫,中公文庫ほか)

代表作「どくとるマンボウ航海記」をAmazonで注文する

2023/12/04

秋葉原ジャンク特捜隊(1人しかいないけど)

  あれから2ヶ月。仕事が定時で終わればすぐアキバ、土曜か日曜のいずれかはアキバへと繰り出すといった日々が続きました。相変わらずお目当てのパーツはありません。定価で買うのもなんだかシャクにさわるので中古ショップを巡回するというシークエンスも飽きてきたある日のことです。

「ん?」普通は見向きもしないジャンクパーツの箱を何気なくひっくり返してみると、486SE専用ボードERD-4000が見つかりました。自分が探している型番より旧い型だったのですが捨て値同然だったので買うことにしました。すくなくともメモリが4MB増えるのでちょっとは前進したことになります。返品も保証も効かないジャンク品ですが、取り付けてみると別に問題もなく動作しました。

 さて、あのメルコの32MBのメモリを認識するでしょうか。増設ボードのメモリスロットに取り付けて、リセット…嗚呼、認識しない。

「PC-98パワーアップ道場」によればこのボードは8MBまでのSIMMまでしか認識しないとのこと。せっかく買った32MBは生かせないのです。しょうがないので32MBメモリはPC-486SEに取り付けるのは止めて、PC-9821Xe10に取り付けることにしました。

 その後ジャンク探しに熱が入ってしまい、PC-9821Xe10用の互換CPUやDX4ODPなどを買い込んでしまいました。もはや「ただでもらったPCを安くパワーアップ」という目標を忘れてしまいました。そして「PC-98パワーアップ道場」推薦のアイ・オー・データのメモリ増設用ボードEP-RB01-8MLを見つけたのです。「PC-98パワーアップ道場」によればこのボードは合計16MBまで接続できる上、Windows95上でも不具合はないというものです。早速買ってみてPC-486SEに取り付けても認識しないのです。どうやらPC-486SEの後継機なら動作するようなのです。動作しないと判ったとき、面白くないのでEP-RB01-8ML上のSIMMを取り外し、前のERD-4000に取り付けると認識したのです! 怪我の功名というか、やぶれかぶれの当たりくじというか、今は取りあえず12MBで使うことにしました。ジャンクで得をしたのか、損をしたのか…あまり考えずにいておきましょう。

2023/12/03

ビブリボン

 線は無限に

 音楽を利用したゲームがひとつのジャンルを確立しています。簡単に「単に音に合わせて操作するだけじゃないか」と片づけるわけにはいきません。やはりこれはノリというものが必要で、ノれなければ音楽そのものを楽しめないのではないでしょうか。実は「パラッパラッパー」以来、あまり音楽を利用したゲームをやってないのですが、このビブリボンはなんだか興味がわいてきたのです。

 人によっては好みが分かれると思いますが、ワイヤーフレームで描かれたゲーム画面が昔のゲーム(特に海外製)の雰囲気を醸し出しています。色も一色しかないシンプルすぎる画面なのですが、かえって個性が出ていると思います。

 画面上の線(リボン)の上を操作キャラクターであるビブリ君が歩いています。読み込んだCDから取り出したデータにより、リボン上に様々な障害物(ピース)が現れるのでビブリ君をうまく操って障害物をクリアしてください、というルールです。これまでにも、色んなCDを読み込んでデータを作成するというゲームはありましたが、音楽ゲームではそう多くはなかったのです。あとは、家にあるCDの数だけデータがあるということでなんだか得をしたような気がするのです。私の場合、音楽CDにゲームCD、CD-ROMもあれば自分で焼いたCD-Rもありますから、かなり遊べるというわけです。ASCII DOS/V 2000年3月号の紹介記事によれば、ピースが出てくるまで8分もかかる曲なんてのもあるので、色々と試す価値はありそうです。

 どこまでも続いている一本の線のように、音楽CDもたくさんあり、たくさん遊ぶことができる良品です。
(SCEI,PlayStationのみ)