2024/01/30

シュナの旅

 大切なのは信じること、そして守り抜くこと

 私が本屋で何気なく表紙の少女に目を留めたのは、どこかで見たような面影があったからでした。1984年に、「風の谷のナウシカ」のことをまだ知らない私は宮崎駿氏の名前も当然知りませんでした。でも、手に取ってぱらぱらと中を開いてみると、水彩で描かれたらしい画に引きこまれてしまったのです。そして、この物語にも。

 貧しい小国の王子シュナが決意を胸に旅立ちます。民を飢えから救うために幻の穀物を探しに行くというのです。子供の頃に読んだ古い民話のような筋書きですが、実際にチベットの民話がベースになっているとのこと。でも、作者はちゃんともう少しお話を練り上げてあるのです。シュナは様々な苦難にもくじけません。幻の穀物を手に入れられることを信じ、そして帰ってくるという誓いを守り抜くために。とても辛い目に遭ったとしても、そこには必ず救いの手がさしのべられる…

 宮崎氏の作品の中で、私は一番この物語が好きです。へたに映像化なんかしないで、本のままでいいと思ってます。一度だけ、ラジオドラマ化されましたが、知らない人も多いと思います。

 ちなみに、私は引っ越すときも必ずこの本を持っていきます。ある日、私の弟が電話で「シュナの旅、持ってったの?」と聞いてきました。そう、私の弟もこの本が好きで、読みたくなって実家の私の本棚を漁ったのだそうです。いい話なんだから、買えばいいのにねぇ!

(宮崎駿、徳間書店)

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